2017-09

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白百合の濡れる町で

白百合の咲く町。ボクは韮ノ咲女子高校に入学した。
高校は少し町外れにあり、自宅からは結構な距離があったが、歩いて行くことにした。

入学したその日、ボクは美咲に出会った。美咲も遠いところから歩いてくるらしく、方向は半分くらい同じみたいだ。美咲は本当にかわいい。色白で、温和な顔つき。長いストレートの髪はくせもない。もう少し目立とうという気持ちが美咲にあったら、学園のアイドルになってもおかしくないほどだ。ボクも時々、変な話かもしれないけど、ドキッとする時がある。
最初は単純に出席番号が隣だから仲良くなったけど、美咲とはすごく趣味があった。美咲は独り暮らしらしい。ボクは陸上部に入って、美咲は文芸部に入ったけど、部活のない日はよくボクは文芸部に入り浸っていた。そんな部活のないある日のことだった・・・
午後から降り出した雨は徐々に強くなり、下校時間には土砂降りになっていた。しばらく雨宿りさせてもらうかと図書室で本を読んでいると、美咲が職員室から戻ってきた。
「薫ぅ、諦めて帰ったほうがいいよ。雨止むの明日の昼ごろだって、職員室のテレビで言ってたよ。薫、途中まで傘入れてってくれない?」
ボクは傘を持っていなくて、置き傘もなかった。
「美咲、ごめん、私もかさ持ってないの。仕方ないから、濡れて帰ろう。まぁこの時期だから濡れても風邪ひかないでしょ」
季節は五月の終わり。梅雨入りにはさすがに早いけど、日中はかなり暑かった。この気温なら濡れて帰っても大丈夫だろう

一緒に帰ることはもう当たり前になっていた。ボクも美咲も途中のスーパーで買い物をするのが習慣で、買い物袋を持っていた。今日の勉強に関係ない教科書は教室におき、鞄を買い物袋に入れて濡れないようにして、覚悟を決めて歩きだした。
バケツをひっくり返したような、という表現がぴったりの土砂降りの雨が美咲とボクを濡らしていく。下駄箱から校舎までで既にびしょ濡れだ。軽く小走りで、帰り道を歩いた。

信号待ち。こんな時はすごく信号が恨めしく思う。いつもより長く感じる。美咲を見ると、黒のセーラー服はぴったりと体に張り付いてて、髪も烏の濡れ羽色といった美しい色になってて、ドキッとしてしまう。
「なに?じろじろ見て。薫、私の顔に何かついてる?」
はっと気がついた。
「いや、なんでもないよ」といいながら、自分のスカートを整えた。スカートも濡れて張り付いて、整えたところで無駄だったけど。
信号が青に変わると、ボクたちはまた歩き出した。

途中のシャッターの閉まった薬局の店先で一度雨宿り休憩をした。こんなに濡れてしまったのは生まれて初めてかもしれない。リボンとスカートを絞ると、じゃっ、と水がこぼれた。
「雨、全然止まないね」ボクは空を見上げて言った。美咲はなぜか黙ったままだ。普段なら「そうだねー」とか言ってくれそうなのに。
なんだか美咲の様子がおかしい。ずっとボクを見つめている。
「どうしたの?美咲、寒い?」
「えっ!?ああ・・・いや、大丈夫」
でも様子がおかしい。
「なんか悩み事でもあるの?相談乗るよ?親友でしょ?」
美咲はうーんと考え込んでいる様子だったけど、急にボクに向き直って
「薫、私がどんな子でも親友でいてくれる?」
と訊いてきた。ボクの答えは決まってる。
「ボクと美咲の仲だよ?当然じゃん」
でも、美咲はなぜかもじもじして言ってくれない。
「薫は、好きな人とかいない?」
急に話題が変わったように思えた。
「今いないよ。美咲くらいかなっ」
ボクは悪戯っぽく言った。すると美咲はじっとボクの目を見つめて
「ほんとに?」
と訊いてきた。なんだかすごくドキドキする。本当に美咲が大好きになってしまいそうだ。もう恋しているぐらい。
「美咲、好きだよ」
思わずそうつぶやいた。曇っていた美咲の表情がふわっと明るくなった。
「薫、こんなこと言えるの薫だけ。あの、恋人になってくれない・・・かな・・・女の子同士って、変だけど・・・でも!でも薫が、かわいくて!大好きなの!」


女子校ではよくあること。誰かが言ってた気がする。
ボクはいつも男勝りなことをしては、男の子にいじめられていた。だから女子校に来た。
ボクは美咲に出会った。運命の出会いのような、そんな気がした。


「美咲、ボクも大好きだよ。ボクの恋人になって!」
美咲の表情がぱあっと明るくなった。嬉しそうに屋根から飛び出して滝のような雨に打たれて笑っていた。ボクも美咲を追って、美咲を抱きしめた。
「好きだよ、美咲」
「私も。薫のこと大好き」
さっきまで叩きつけるようだった雨が、優しくボクたちを包みこんでいた。白百合の濡れる町で。


----------------

美咲と付き合いだして1ヶ月がたった。
女の子同士で付き合うというのは常識ではやっぱりおかしなことだ。美咲と恋人同士のようにイチャイチャしたくても、それはさすがに人前ではできない。屋上で隠れてやったり、下校で誰もいなくなったときにそっとやるか、美咲の家でやるだけだ。美咲も僕もそのあたりは常識ある行動にしようと二人で決めた。

それでも女子校の噂の広まり方は怖い。あっという間にクラス中に広まってしまった。そんなある日。

僕は陸上部で1年ながら代表メンバーに選ばれた。ハードル走。昔から得意だった。今日もそのハードル走の練習の終わりかけのときに、美咲が学級委員長の麗と体育倉庫に入って行くのを見かけた。少し美咲が心配になったが、僕には練習があった。
練習が終っても美咲たちは出てこなかった。すると突然、体育倉庫からもわっと白い煙が上がった。ハードルを片づけに行くのもあって中をのぞくと、美咲が頭から全身粉まみれになっていた。
すぐに麗を見た。麗はバツが悪そうに下を向いていた。
私はすぐに麗にとびかかり、麗と重ねたマットの上に倒れた。
「美咲に何をした!!」
麗は今にも泣き出しそうな顔をしていた。そんな顔をされたら僕も引かないわけにはいかない。麗をマットと跳び箱の角まで追いつめると体を引いた。
「聞かせて。どうして美咲がこんな姿なの?」
「ごめんなさい、薫。実は、美咲ちゃんと薫がつきあってるって噂を聞いて・・・私、実は薫のことが好きで、ずっと好きで。だけど言い出せなくて、諦めきれなくて、その・・・」
と、話を聞いてると、美咲がスカートに付いた粉をはたきながら言った。
「薫、麗ちゃんはなんもしてないよ。上から粉が落ちてきただけー」
「え?ほんとに?そなの?」僕が目を丸くしてると、麗が
「本当だよ。私、そりゃ嫉妬したけど・・・美咲ちゃん襲ったりなんかしないから。美咲ちゃん大丈夫?怪我、ない?」
「ないけど、これは・・・派手にやっちゃったぁ」と言って、くすくす笑い出した。そして笑いながら美咲はつづけた。
「薫、ごめんね、実は薫にもう一つ隠してたことがあって」
なに?まさか二股とか!?
「実はあの告った日、雨だったでしょ?私、びしょ濡れになるのとかこうやって粉まみれになっちゃったりするの大好きなの」
僕は目を丸くするばかりだった。麗は美咲に続けて言った。
「そういう人たちのことをWAMが好きな人たちっていうの。Wet and Messy。Wetは濡れることで、Messyは汚すことね。私、美咲ちゃんもWAMが好きな人なのかなって、粉まみれになりたくない?って軽くきいたら、うんって答えるんだもん。びっくりした」
「薫、やっぱり私って変な子だよね」
少し考え込んでしまったが、僕だって変なところの一つや二つある。
「美咲、全然変じゃないよ。かわいいよ」
白い肌に真っ白な粉がまとわりついて、夏のセーラーのリボンが粉まみれになってる。綺麗な髪も真っ白。かわいい。
「もう、薫ったらぁ」
「いいなぁ美咲ちゃん。私も薫とそういう風にイチャイチャしたい。」
「私みたいに粉まみれになれば?」美咲は冗談っぽく言ったみたいだけど、麗は嬉しそうに頭から粉をかぶった。
「ちょ、麗!なにしてるの!?」
「美咲ちゃんと同じ。私もWAM好きだもん」
みるみるうちに麗も粉まみれ。もうこうなったら、と、僕も頭から粉をかぶった。
「薫!薫はいいんだよぉ!!」
美咲に言われたけど、このままじゃ美咲と麗をいじめたみたいに見えちゃう。それに、浴びてる最中は気付かなかったけど、粉まみれのサラサラした感じ、なんだか病み付きになりそう。
3人でしばらく遊んでいると、先生が来て、当然こっぴどく怒られた。
でも、美咲も麗も僕ももうWAM好き仲間になっていた。事あるごとに3人で美咲の家に集まって、WAMを楽しんだ。

コメント

あーけーさんの絵をいろいろ眺めていたらなぜか思い浮かんだ作品ですw

タイトルにピンと来たのでクリック&読破。
ボクっ娘で百合っていいですね。

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