2017-09

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モデル修正4(2)

ノックの音がした。ドアを開くとひなちゃんが撮影開始を知らせてくれた。
「休めた?」
ひなちゃんは心配そうに聞いてきた。私が大丈夫、と答えると、笑顔になって
「よかったぁ。うちだったら初めての部屋とか少し緊張するからあんまり休めんのよ」
と、笑った。

今回の衣装は黒の競泳水着に、黒い膝上丈のタイツをはいて、その上から白のブラウスと、白いロングスカート。上着に薄いオレンジ色のカーディガンを着た。ひなちゃんは、下が旧タイプのスク水で、タイツがなく、カーディガンが黄緑色である以外は全部お揃い。
今回は台本がなかった。リアルな感じを撮りたいという。
もうひとりスタッフが増えていた。目の細い女性だ。監督に紹介された。Dさんの奥さんで麗子さんというらしい。麗子さんは撮影のみの参加で、たぶん今回限りなのであまり気にせずやってください、と言われた。その割には全身びしょ濡れだった。撮影の時どうせ濡れるからいっそびしょ濡れに、と笑っていた。麗子さんも濡れることは好きらしいのだが、撮られるのが嫌いらしい。
「んじゃまずあの板の上に乗って」
板とは、ビート板のような素材と厚みの、2.5m四方の正方形のものだった。二人で乗ると、そのまま水面に浮かばされた。二人で乗っていても沈むことはなく、そのまま麗子さんの水中でのコントロールでプールの真ん中に来た。
「今回は水上で相撲をしてもらいます。ひなは彩夏さんの胸やお尻や下腹部を触ったりするのは禁止。彩夏さんはどこでも触っていいよ。それから二人とも顔を叩いたり髪を引っ張るのは禁止。まぁ相撲の基本的なルールと同じでよろしく。ただし、倒されても負けじゃないから。落とされて初めて負けになります」
なんだか私だけ優遇されている。昔から『特別扱い』というのは嫌いだった。
「あの、すいません」
私は監督に叫んだ
「ん?彩夏さんどうしました?」
「私も胸やお尻も、股も触られても大丈夫ですよ。ひなちゃんなら、ですけど」
監督は驚いた顔をした。
「わかりました。なら、ひなも無制限で。それじゃ撮影始めます」

「ほんとにいいの?うちは旦那にもまれ慣れてんけど」
ひなちゃんは心配そうに言った。それをよそに私は
「なにそれ。惚気?そうだなあ」
といって、手を伸ばしてひなちゃんの両胸を両手で鷲掴みにして、
「このくらいなら触っていいよー」と、揉みまくった。ひなちゃんは真っ赤になって、
「じゃあ、こうだっ」
と、私にのしかかって胸を揉んできた。
「うわっ」声を上げてしまったが、しばらく揉まれた後、横に転がって立ち上がった。板は大きく傾いた。ひなちゃんはその傾きに合わせて這って対角に進み、立ち上がった。
「さぁ、勝負よ!」
私とひなちゃんはまるで図ったかのように同時に動き出し取っ組み合いになると、私はひなちゃんの胸を両手で強く押した。ひなちゃんの胸は大きくてやわらかい。弾力があって、私はそのまま弾き飛ばされるように板に倒れた。髪が少し水の中に入った。と同時に、「わあっ」という声のすぐ後、ザバーン!という大きな音がした。ひなちゃんがプールに落ちた音だった。私が体を起こすとひなちゃんが水面から顔を出した。私は板の上でバランスをとりながらひなちゃんが上がってくるのを待った。ひなちゃんの黄緑色のカーディガンはぴたりと貼りついて、白いスカートとブラウスは透けて、ひなちゃんのスク水が丸見えになっていた。ひなちゃんは濡れたシャツのまままた私と取っ組み合いになった。今度はひなちゃんに肩を突き飛ばされ、一瞬天井が見えたかと思うと、すぐに視界が水面に変わった。水中で体勢を整え、板の上にゆっくりあがった。全身びっしょびしょ。私のブラウスもひなちゃんのそれと同じ、競泳水着をくっきり透けさせた。びちゃびちゃ水を垂らしながら上がり、服を絞って次の一歩を踏み出そうとした。その瞬間、ツルリと滑り、バランスを崩してひなちゃんに飛びついてしまった。ひなちゃんごとプールにどぼん。水面から顔を出して
「ごめん、転んじゃった」
とわびると、
「びっくりしたぁ」
と、悪戯っぽく笑った。
監督から指示が出て、プールサイドにあがった。ひなちゃんと手をつないで、濡れた姿をじっくりと撮ってもらう。終わると後ろ向きにされ、Dさんたち3人にバケツの水をたっぷり3杯ずつかけてもらうと、後ろもじっくり撮影。それも終わると、10分間濡れたままの休憩になった。
プールサイドのベンチで、髪を整えてからお茶をもらった。ひなちゃんも隣に座った。
「お疲れさまー」
麗子さんが話しかけてきた。麗子さんだけは撮影の殆どを水中でやっていたので、ビジネススーツはびしょびしょだった。
「撮影、緊張しませんでした?」
「これの前のよりは緊張せずできました。ひなちゃんがいるお陰かな」
ひなちゃんはにっこり笑った。
「すごいですね。私なら、無機質なものに見られてる気がして緊張しちゃいます」
「あぁ・・・確かに初めての時はそう思いました」
「でしょ?それに、魂抜かれちゃう気がするんです」
すかさずDさんが「明治か」と突っ込み、思わず笑ってしまった。

休憩が終わり、ベンチがシャワーの下に置かれた。更衣室の隣に個人用シャワーが一つあるのだが、それとは別に、学校のそれみたいな、パイプから水が噴き出すタイプのシャワーもあり、その下にベンチは出口に向かうように置かれた。
「ここに座るって事ですよね」
私は監督に聞いた。
「察しがいいですね。ここでひなちゃんとフリートークしてもらいます」
私とひなちゃんはさっそく座った。
「んじゃ始めます。」
シャワーが降り始めた。すぐに全身濡れ直った。目は半分しか開けられず、時々髪をかき揚げながら喋った。
「休憩中なにしてた?」ひなちゃんが喋りだした。
「1時間くらい寝たよ。それから、ひなちゃんのDVD見た」
「本当!?どれがお気に入り?」
「ローション、かな。あのヌルヌルしたの、やってみたい。あ、でも全身泥も」
と言ったところで、急にシャワーが強くなった。ゴオーッと唸る大きな水音と、大量の降り注ぐ水のせいで口も開けていられない。目も開けられない。その状態はしばらく続いた。私は手で口を押さえ、なんとか息をしていた。一瞬目を開けると、ひなちゃんは聞き取れないけどなんだか喋っているようだった。
5分間浴び続けるとシャワーは完全に止められた。あまりの苦しさに10分位に感じたが、後で聞いたら5分に間違いないということだった。
ぐったりした表情のまま撮られた。水はポタポタ流れ、髪なんか触れる余裕もない。ようやく動けるようになるまで1分近くかかった。
「お疲れ。この後なんだけど」
Dさんとひろしさんが蓋付きの水槽を二つ持ってきてプールの水を入れて並べた。
「あの水槽に入ってもらいたいんだ。」
私は頷くしかできなかった。
「あ、疲れて無理ならこれで終わりにしますよ」
「やらせて・・・いただきます。」
「あ、彩夏さん、どうか無理だけはしないでください」
私は続けた
「でも・・・どうか10分後で」
プールサイドに倒れるように寝そべって休んだ。天井を仰ぐ。眩暈もしないし、体の痛みもない。どーんと体が重いということもない。少し休めばまたできる。ひなちゃんも一緒に休んだ。

10分後には元通り元気なびしょ濡れ女に戻れた。
「お待たせしました!じゃ、やりましょうか」
私は監督に笑顔で言った。監督は驚いたようだが、すぐに撮影準備に取りかかった。今回は戸惑うような演技を指定された。演技でなくとも、水槽に入るというのはさすがに戸惑う。ひなちゃんも戸惑っている様子だった。
「ひなちゃんも怖い?」
「うちも水槽は初めてやもん」
ところがさらに私たちは困惑した。監督が取り出したのはなんと魚。ひなちゃんは金魚で、私はメダカらしい。
私たちはそれぞれ水槽の中へ、ひざを折って水の中で体操座りのような格好になると、メダカがサワサワと足に触れた。ここから足を上げ、お尻を水槽の奥に押し込んだ。仰向けにゆっくりと体も沈んでいく。ついには頭も浸かった。髪をメダカがついばむ。もう沈んでないところは顔だけだ。私は息を止めると一気に潜った。が、すぐに頭を出してしまった。なんだか意味もなく怖くなってしまったのだ。でも私は負けない。もう一度深く息を吸い込み、潜った。監督はさらに魚と水を足して、全身浸かるようにしてくれた上に、水槽に蓋をしてくれた。綺麗な水の中。魚が私の目の前を過ぎる。息はまだ苦しくない。
水槽が揺れた。なんだかよく分からないが台車に乗せられたらしい。横を向くとひなちゃんも乗せられたようだ。そのままガタガタ水槽が揺れた。そろそろ息苦しい。しばらくすると、また水槽は床におろされたようだ。蓋が取られた。私は監督の指示で顔を出した。また座る体勢に戻り、服や服の中に魚が付いていない事をすばやく確認すると、ようやく水槽から出た。水槽は殆ど移動していないように見えたが、台車の車輪の跡は更衣室を一度折り返したようだ。ひなちゃんはまだ水槽の中。私はひなちゃんの水槽の蓋を開けるように指示され、開けた。ひなちゃんはゆっくりと出てくると、口の中から金魚を吐き出した。ひなちゃんも魚を確認しながら水槽から出た。
「どう?初めての人間水族館は」
監督は野太い声で私に聞いた。
「す、凄かったです。魚が目の前を泳いでました」
「魚になれた?」
「え?ああ・・・人魚になりかけました」
私は笑った。
「ひなちゃんは?金魚美味しかった?」
「生臭ぁい」
ひなちゃんは舌を出しながら言った。
「ひなちゃんは人魚になれた?」
「う~ん、彩夏さんみたいに美人じゃないから、半魚人くらいが良いとこかな」
嘘ばっかり。ひなちゃんのほうがずっと、それこそアイドルばりに可愛いのに。
「お疲れさまでした」
ようやくずぶ濡れは全部撮影終了、かと思いきや、猫足のバスタブが用意された。ひなちゃんがローションまみれになったあれだ。今日はローションじゃなくてお湯だった。ちょうどいい湯加減で、私たちはさっそく入った。
ゆったりくつろぐシーンを撮ってもらうと、あがって濡れた服と体をもう一度撮してこれですべて終了。私とひなちゃんは麗子さんに誘われ、3人でバスタブに入った。
「あーあ、気持ちよかった」私は思わず言った。
「もう彩夏さん、びしょ濡れの虜だね」
ひなちゃんがまた悪戯っぽく笑う。
「そいえばさっきシャワーのなかでなんて言ってたの?轟音で全然聞こえなかったよ」
「ああ、あん時はなんも。意味のないことを喋ってたの。どうせ聞こえないだろうから」
「ふうん」

ゆっくり温まると、更衣室横のシャワーで体を洗い、着替えて部屋に戻って、その日はそのまま帰った。
これからどんなことが待ち受けているんだろう。次の撮影も楽しみでならなかった。

コメント

お久しぶりです

私の住む町では地震でもほとんど揺れず
内陸なので津波の心配もありませんでした。
しかし、実家は海岸沿いだったので避難したそうです。
結局まったく被害は無かったのですが。

前置きはこれくらいにしまして
久々の更新とてもうれしいです!!
でも、まだMessy要素はほとんど出てきていないので
これからの展開を楽しみに待っています。

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