2017-09

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雨は好き。雨は、私を洗い流してくれる。

何歳からだろう、私が傘を持たなくなったのは。
もちろん、1本も傘を持っていないわけではない。
朝から雨が降っているのに出かける瞬間から雨を浴びるなんてことはできない。
でも私が持ってる傘は必ず折りたたみ。しかも、格安のぼろいのが私にはお似合いだ。

出かけるときには傘をさし、帰りは傘を閉じて帰る。
なんども傘を電車に忘れる。それも、わざと。

初めて傘をわざと忘れたときはドキドキした。大学生のころだ。
座席に座って、足の下に折り畳み傘をおく。
なくしてもいいようなストラップつけて、駅まで寝たふり。
電車で最も忘れものが多いのが傘なんだ。不自然じゃない。
そんなことを思いながら、それでもドキドキはおさまらない。

駅に着く。私はドアが開いても立たない。発車ベルが鳴り始める。
ハッ、と起きたふりをする。それから急いでドアから出る。
傘は座席の下に置いたままだ。それを絶対に見ないように降りる。
ドアが閉まる。電車が行って、私は電車と並ぶように歩く。

階段を下り、改札を出ると、雨はまだ土砂降り。
私は鞄の中を漁るふり。勿論傘なんかない。

”しまった、電車の中だ”
そう考えている人はどんな顔をするんだろう。
私はため息をつき、そして空を見上げる。そして、もう一度ため息。

私は走り出す。駅から飛び出す時はそれこそ全力で走る。
でも、駅からしばらく走ると、もう人の姿はない。

誰もいない雨の道を、私はゆっくりと歩く。
髪もびしょびしょ。メイクはあんまりしてこなかった。服もだんだん雨がしみ込んできた。
少しずつ、体に張り付いてくる服。そして、だんだんと体が冷えてくる。

雨はどんどん私を洗い流す。
今頃傘は、誰かに拾われてるかしら。
それとも、まだあの場所に?
そんな考えもいつしか、雨に流れて行く。

一人暮らしのアパートに着くころ、また急ぎ足になる。
”急いで屋根のあるところに入ろう”、そういう人だ。

「ただいま」
誰もいない部屋に声をかける。濡れた服はまだ脱がない。
ユニットバスにそのまま入って、頭からシャワーを浴びる。
浴びているお湯はそのまま湯船に溜めていく。
湯船に座り、足を伸ばして、頭と体はシャワーの真下。

湯船にお湯がたまるまで、シャワーは私を洗い流し続けてくれた。
シャワーをとめて、ゆったりとお風呂に入る。
いつも体を洗うのは、真冬以外はシャワーしか使わない。
だけどこの日は、特別。

明日晴れたら、忘れた傘をとりに行かなきゃ。
ストラップ、思い出せるかな。

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